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通訳者が困る瞬間 [通訳よもやま話]

通訳者が困ってしまうパターンの一つ典型的な例として、日本と欧米の文化の違いの狭間に立たされて右往左往するってのがあります。

先日もこんなことがありました。

とある外資系企業、アメリカからVIPが来日しての社内でのスピーチ

First of all, I'd like to thank TAKASHI for all the...

「たかし」さんはこの会社の日本法人の社長さんです。

さて、この「たかし」さんの苗字を知らないで、これを日本語に訳そうとなると、困るわけです。
欧米では上下や役職は関係なくファーストネームで呼び合うのが極々ナチュラルなんですが、日本語で、まさか一企業の社長さんをつかまえて、「たかし」さん呼ばわりは出来るわけはなく・・・。

いやあ、とにかくたかしさんにまずお礼を申し上げたい・・・

ってフォーマルなスピーチが台無しになりかねません。

このときは、このお客さん過去にも何度か役員会議の通訳のお仕事をいただいていたことがあり、本当にたまたま、いつもは人の名前を覚えるのが死ぬほど苦手なワタクシが、なぜか社長さんの苗字を覚えていたので、

山田社長に、まず御礼を申し上げます。

と訳して難無きを得られました・・・はあ。
すぐ後で気づいたらこの時パートナーで一緒にやっていた通訳者の方(この方はこのお客様と長年一緒にお仕事をしている方)がメモ帳に、社長の苗字をワタクシが見えるように書いてくださってました。出来る通訳者の方ほど、こういうさりげない気遣いが得意なんだ、と感動しました。

社長さんの苗字を知らない・覚えていない場合、もう一つごまかし方としては、

社長さまにまずはお礼を申し上げたいと思います。

と役職で呼んじゃう、ってのもあります。

ただ別のケースで「たかし」さんの役職すら分からない場合もあるわけでして・・・この場合は泣く泣く、

たかしさんにお礼を・・・

と訳すことになります。こういう時は本当にその瞬間だけでもアメリカ人なりイギリス人になりたい、と思います。そんでもってこてこてのモンゴロイド顔な自分がうらめしくなります。

せめて欧米っぽく

とぅゎぁかぁーしーさんにお礼を・・・ (「か」にアクセント)

とか言いたくもなりますが、それはそれで変な通訳者だと思われちゃいそうです。

ちなみにこの問題日本語を英語に訳しているときには基本的には発生しません。

アンダーセンさんにまずお礼を・・・

First of all, I'd like to thank Mr. Andersen...

欧米の方々を苗字で呼ぶのは多少堅苦しくはなりますが、「あり得ない」ことではないので。この場合は彼のファーストネームを知らなくてもあまり問題はありませんね。

あ、当然のことながら、以上文中の名前は全て仮名でございます。

閑話休題

ライブのご案内です


2009/4/8 (水) "Beg Your Pardon ?" @ 池袋 Free Flow Ranch

1st 20:30 / 2nd 21:30 / no charge 投げ銭制
丸尾一平(vo/gt)、 じゃいあん(vo/bs)、 カトウジン(ds);
いつものインチキジャムバンドのホームゲーム
http://www.freeflowranch.com

2009/4/13(月) 丸尾一平@高田馬場「四谷天窓」

Open 18:30 Start 19:00 Charge 1,000 + 1 Drink
丸尾の出演は5組中三番目にて、20時過ぎくらいから演奏予定です。
ロックに弾き語ります。うだうだしゃべります。
http://www.otonami.com/tenmado/news/index.htm


2009/4/28 (火) "Beg Your Pardon ?" @ 梅島 YUKOTOPIA

丸尾一平(vo/gt)、 じゃいあん(vo/bs)、 カトウジン(ds);
「BYP? presents 梅島池袋化計画 Vol.2」
Open 19:00 Start 19:30 Charge 2,000 Yen
taj / I&I THE BAND / BYP? / ねじ巻きBOYS
http://www.yukotopia.jp/

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